「良い知らせを伝える者」  03−12−07
                  ローマ10:15

 クリスマスの夜、天使が羊飼いたちに告げました。<わたしは民全体に与えられる大きな
喜びを告げる。今日、ダビデの町であなた方のために救い主がお生まれになった。>
この良い知らせを、私たちは今年も聞くのです。確かに救い主は、お生まれになったのです。
 ローマ10:15の御言葉は、預言者イザヤが、廃墟となったエルサレムに告げた言葉
(イザヤ52:7)の引用です。エルサレムは、外国の王に治められ、神に治められ、導かれ、
守られることがなされない状況にありました。しかも、それはエルサレム自身の罪の結果でした。
イザヤは、そんな者たちの所に、神が王として再び帰ってきてくださると告げたのです。
「あなたの神が、あなたの王として、あなたを治め、守る。」と知らせたのです。
それが良い知らせでした。

 マタイによる福音書では、クリスマスに東方の学者が登場します。彼らは、王としてお生まれに
なった主イエスを訪ねて来たのです。「神さまが王となられたそうですね。あなた方を本当の意味で
治めてくださる王がお生まれになったそうですね。おめでとうございます。」
東方の学者の姿を通して、そんな言葉を聞かされるのです。

 いつの時代も、人は神でないものに支配されて、恐れや不安の虜になります。
神に治めていただけない、導いていただけないと思い込まされ、神がいないかのように
思い込まされます。今の時代もそうです。この世の力、社会構造、物、お金、自分の罪など、
様々なものに支配され、それらに押さえ込まれているように感じることがあります。だからこそ、
クリスマスのよい知らせを聞かなくてはなりません。だからこそ、クリスマスに御言葉が語りかけて
くるのです。

 「あなたの神が、あなたの王となられた。その王はもうお生まれになった。
 どんなにあなたを押さえつけているこの世の力があると感じても、神が王として
究極のところではしっかりとあなたを治めている。」
 この良い知らせを信じるゆえに、また喜んで進み出せるのです。